STORY

指宿市で出会った、脂がのった肉厚な干物「薩摩の灰干し」

灰干しに出会ったきっかけ


東京で働いていた元同僚の結婚式は鹿児島県だった

私は京都の大学を卒業後、東京のメーカーで働いていました。数年がたち、すでに転職してしまった元同僚が、同じく転職済の私の元へ結婚式の招待状をくれました。場所は鹿児島県と東京都から少し離れていますが、転職組どうしお互いの近況報告をかねて、旅行気分で鹿児島県の結婚式に参列することにしました。

京都で同じ大学に通っていた友人と指宿市で再会

そういえば大学の同期が鹿児島県に住んでいることを思い出しました。彼はパチンコで負け続けて、冷蔵庫に「もう行きません」と張り紙をしていた愉快なお友達、懐かしくなって連絡したところ鹿児島県指宿市に住んでいるとのことでした。せっかく鹿児島県に行くので、結婚式のあとに寄ることになりました。

薩摩の灰干しという商品を知る

話を聞くと、どうやら彼は水産加工業を営んでおり、「薩摩の灰干し」という商品を作っているとのことでした。これは肉厚で脂ののった干物で、とても美味しく私の干物のイメージを変える商品でした。私のイメージする干物は、乾燥していてカチカチで薄いものです。世の中には変わった干物があるなと感心しました。また、指宿市という土地の思い出もあいまって一気にファンになってしまいました。

以下、鹿児島県指宿市と薩摩の灰干しの魅力について書きます。

土地のこと - 鹿児島県指宿市


温泉


ここ指宿市はいろんなところから温泉が湧いており、お風呂が好きな私にとって非常に嬉しい土地です。通常の温泉施設はもとより、名物の砂風呂や、街中に点在している無料の足湯コーナーがあります。

指宿駅前の足湯

この温泉天国を象徴するように、指宿駅の目の前に足湯所があります。なぜかタオルを肩にかけた、粋な姿の銅像が真ん中に堂々と立っています。ここでお友達が迎えにきてくれるまで小一時間ほど温まっていました。

海岸の足湯

まさかの海岸から湯気がもくもくと出ており、初めてみる光景でした。海岸の部分はさすがに海水の影響かあまり温かくなかったですが、砂浜のすぐ目の前には足湯ポイントがあります。駅前の粋な姿の足湯と砂浜が目の前の足湯は私のおすすめするスポットです。おそらく地元の方にとっては当たり前の風景のようで、混んでいる様子はなかったのでタオル一つ準備してぜひ試してみてください。

天然砂むし温泉

浴衣に着替え

施設に入るとすぐに浴衣に着替えることになりました。温泉に入ると聞いていたのに、なぜか浴衣を着るとのこと、よくわかりませんが、とりあえず浴衣に着替えました。施設内でテーマパークのようになっているのかなと思いましたが、どうやら砂まみれになる&暑いので一枚羽織るみたいです。

穴に入って埋められる

施設から屋根で囲ってある砂浜にでて、そこに掘ってある浅い穴に入りました。するとすぐに熱い砂で埋められました。浴衣を着たまま海岸の砂浜に埋められるという、ちょっと不思議な感覚でした。
冬だったので埋められるまでは寒かったのですが、一旦埋められるとすぐ暖かくなりました。どしっ、どしっと砂が加わるたびに心地よい圧がかかって気持ちよかったです。

というか暑い

埋められるとじんわりと熱が伝わってきて、そしてだんだんと暑くなってきました。お友達からのアドバイスで、足の指先を砂からちょっと出すと意外と耐えれるとのこと、やってみたら本当に我慢できるとともに、足の指先だけ冷たいまたまた不思議な感覚でした。

そして重い

当たり前ですが、人が埋まるくらいの砂の量は結構重いです。苦しくはないですが、出るときには少し力が必要でした。冗談でも砂浜で人を埋めて放置してはいけないなと思いました。

結局シャワーを浴びて普通に風呂に入る

砂まみれになるので、砂を落とすために屋根付き海岸から施設に戻ってシャワーを浴びました。そしてシャワーの後で普通に大浴場に入りました。

砂むし温泉とのことですが、通常の温泉のようにお湯で熱を伝えるのではなく、砂を使って熱を伝えるだという一風変わった場所でした。興味のある方は是非お試しください。

JR最南端の駅


指宿市にある西大山駅は、JR日本最南端の駅で北緯31度11分、1日8本運行される駅です。ここは静かなる観光スポットらしく、駅の周りが賑わっているわけではないですが、幸せを届ける黄色いポストや幸せの鐘など、ちょっとしたアイテムがあります。

他の駅では淡々と到着、出発を繰り返していたのですが、この駅は駅そのものが観光名所とあって、5 - 10分くらい電車が待ってくれました。また、写真を取っていて乗り遅れないようにと、出発の際は丁寧にアナウンスを繰り返していました。私はこの駅で降りてレンタサイクルを借り、長崎鼻という岬を目指すことにしました。

長崎鼻


開聞岳

長崎鼻という岬から開聞岳を見ると、まるで海の中からいきなり山が出てきているように見えます。開聞岳は最南端の駅からも見える山で、この辺りのシンボルとなるような山でした。後で地図を確認したところ、海に突き出したような位置にあります。

浦島太郎の言い伝えの場所、龍宮神社

長崎鼻の岬には竜宮神社という神社があり、その名の通り浦島太郎が竜宮城へ旅立ったと言い伝えられています。真っ赤な神社の前には浦島太郎の像がありました。レンタサイクルの時間が近づいてきたので、この岬を後にして駅に戻ることにしました。

一次産業が活発な、貨幣経済と物々交換のハイブリッドな街


指宿市は漁師が多いそうで、海産物に関わるお仕事をされる方が一定数いらっしゃるようです。私の友人も水産業で働いております。また、野菜農家も多いらしく、一次作業が活発な街のようです。米農家は他に比べて少ないらしいのですが、なぜかご近所さんから白米が回ってくるそうです。

ご近所さんに魚や野菜を分けたりお米をいただいたりと、あまりお金を使わない生活を送っているようで、「買うのは肉とビールだけ」は彼の名言です。取れたての魚や野菜に囲まれてお金を使わない生活って羨ましい!

モノのこと - 薩摩の灰干し -


肉厚で脂ののった干物

私のイメージでは、干物というとカチカチで硬く、ペラペラなものを想像しましたが、おそらくこれは天日干しによるところが大きいかと思います。

薩摩の灰干しは、天日ではなく桜島の火山灰を用いて適度に水分を取り除きつつ、魚本来の旨みを閉じ込めたまま、肉厚で脂が残った状態で冷凍パックされるようです。したがって、聞いたことのないような干物が出来上がるみたいでした。技術の進歩が生んだ、新しい干物といえるでしょう。

味付けずみで調理が簡単、骨が取ってあるので食べやすい

この干物はすでに味付けずみのため、グリルなどを使わずフライパンで焼くだけで美味しい魚料理が食べられます。また、写真の通り骨があらかじめ取ってあるので、私のように骨を取るのをめんどくさがる人にはもってこいです。小さいお子さんがいる家庭にもオススメです。時間や手間をあまりかけずに健康な料理を作りたいときに便利だなぁと思いました。

取り扱いのある魚の種類と味付けは以下になります。

  • さば(塩)
  • かつお(塩)
  • さわら(塩)
  • さば(ゆず)

焼き以外に食べさせてもらったものが以下になります。

揚げもの

解凍したものをそのまま揚げたみたいです。味付きなので、素揚げのように調理するだけで美味しく食べれます。

酢であえる

一旦フライパンで焼いたものを一口サイズに切って酢であえたものです。焼き、揚げときたところでさっぱりとした酢の物がいいアクセントになりました。骨があらかじめ取ってあるのでとても食べやすい酢の物でした。干物を調理したとは思えないような魚料理の小鉢でした。

冷凍保存なので長持ち

この薩摩の灰干しは、美味しさを保つため市場から上がった魚をすぐに加工して冷凍保存するようです。そのため、普通の生鮮食品のような食べ物にもかかわらず、半年以上にわたって長期保存ができるとのことです。本当は少し分けてもらって東京に持って帰りたかったのですが、友人の結婚式が控えていたため断念しました。

以下から購入するとクール宅急便で配送してもらえるようなので、興味のある方はご注文ください。